みんな個性のあるかわいい個体ばかりで、つい何匹か連れて帰りたくなります。
でも、残念ながらフトアゴヒゲトカゲの多頭飼いはオススメしません。
理由はいくつかありますが、特に初めてフトアゴヒゲトカゲを飼う方は、自分の決めた大事な一匹を大切に育てましょう。
*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。
それでは、フトアゴヒゲトカゲの多頭飼いをオススメしない理由を解説します。
Contents
フトアゴヒゲトカゲの多頭飼いをおススメしない理由
理由(1) 喧嘩はしないけどプレッシャーをかける
基本的に、フトアゴヒゲトカゲはおとなしいトカゲです。
見た目はちょっといかついですが、むやみに人間を咬むことも、仲間同士で喧嘩することもありません。
しかし、複数で飼育していると、どうしても強い個体と弱い個体が出てきてしまいます。
弱い個体とは、気が弱かったりのんびりしすぎていて、餌を食べ損ねたり日光浴場所を追われたりする個体です。
こういう個体は、負けん気の強い個体が一緒にいるとそれだけでプレッシャーになり、いじけて隅っこのほうから出てこなくなったりします。
困ったことに、ケージ内の個体数が少ないほどこの傾向が強くなります。
ショップでは10匹ほど一緒に入れあれ、特に問題が見られなくても、そこから2匹連れ帰って一緒に飼うと、片方だけ痩せていく、なんてことにもなります。
理由(2) 共食いはしないけど間違って食べちゃう
本来は喧嘩をしないトカゲですから、もちろん共食いもしません。
ところが、多頭飼いしていると、個体同士がかなり近い距離で餌を食べたりします。
特にフトアゴヒゲトカゲのベビーは貪欲で、食べられると思うと何でも食べようとします。
すると、間違って他の個体の手足を咬んでしまうことがあります。
わりと顎の力が強いトカゲなので、そのまま食いちぎって食べてしまうことまであります。
時折、ショップで手や足がない個体が安価で売られていたりしますが、それは他の個体に食べられてしまったケースがほとんどです。
手足が一つくらいなくても死んでしまうことはありませんが、あった方がいいに決まっています。
また、仲間に手足を食べられてしまった個体はたいてい、そのグループの中でかなり弱い立場になるので、精神的にプレッシャーをかけられてますます弱ってしまいます。
理由(3) たくさん飼うよりも一匹を大切に
複数の個体を飼うと、どうしても一匹あたりにかけられる目や労力は限られてしまいます。
特にベビーの場合、こまめに様子をみて世話をしないと、うまく育ちません。
初めて飼う場合、一匹を育て上げるだけで手一杯になると思います。
成長した個体の場合、かなり性格が出てきます。個体ごとの個性が強いトカゲなので、黄色いものばかり選んで食べる個体、日光浴の時間が長い個体、お気に入りの場所が決まっている個体など、様々です。
こういった個性がぶつかり合ってしまう個体同士は、一緒には飼えません。
また、成熟したオス同士は喧嘩することがあります。
個体同士の相性が悪い場合、ケージを分けて飼わなければいけません。そうなると飼育の手間も増えますし、場所も取ってしまいます。
ちなみに、繁殖を目指す場合も、繁殖期以外はペアを分けて、それぞれ単独で飼うべきです。
常時ペアを一緒にしていると、繁殖期にオスの反応が悪くなります。
また、オスに比べてメスの成熟に時間がかかるので、ベビーからペアで育てても、繁殖に使えるタイミングはバラバラです。
つまり、繁殖を目指す場合も結局、個体ごとに分けて飼うことになります。
フトアゴヒゲトカゲの多頭飼いはアリ?【まとめ】
いかがでしたか。
今回はフトアゴヒゲトカゲの多頭飼いについて解説いたしました。
フトアゴヒゲトカゲは、それなりに飼育に手がかかる動物です。
個体同士の力関係や手足の欠損で頭を悩ませるより、まずは一匹を大切に育て上げてみましょう。